第2回 指とピックのアレコレ 後編

疾走感を表現しやすい、音の粒を揃えやすくてハードルが低い、っていうのがピック弾きのメリットだっていう話になったけど、逆にデメリットもある?

道具が必要、っていうのは単純にめんどくさい(笑)。あんなサイズだからしょっちゅう無くすし、忘れるし。チューナーとかシールドとかと違って、ないことに気づかないし。バンドリハでピック忘れたらギターから借りるんだけど、ギターのピックはサイズが小さくてベースは弾きにくいし、ギターより削れちゃうから返すときに気が引ける。

それは日々の管理をちゃんとしましょう、ってことですけど(笑)。

あと、他人のベースを借りにくい。ピッキングに力が入るとピックガードを擦ってしまうことがあって、傷をつけちゃうんだよね。自分のベースなんて傷だらけだもん。でも指弾きの人ってボディがめっちゃキレイだから、傷つけるわけにはいかないし。それに弦でピックが削られて、ピックアップのあたりからブリッジにかけて、プラスティックのカスだらけになるのがピック弾きの特徴。それも指の人にはないことだから、気を遣うね。

へー、知らなかった。確かに傷つけられたらキレるかも(笑)。

プレイ面でいうと、弦移動はコツが必要だな、って思う。オクターブプレイとかランニングべースみたいな、複数の弦にまたがるフレーズは、ピックだと指より難しいんじゃないかな。

わかる!そういう曲のときは指のほうが確かにプレイしやすい。

たとえば2弦を鳴らしてから4弦を鳴らすような複数の弦にまたがるフレーズでは、2弦から4弦に行くためのモーションが指よりはるかに大きくなる。そういうことでリズムが縒れたり、音圧がキープできなかったり。ピックだと無駄な動きが増える、っていうのは確かにあると思う。

あと、右手でミュートできない、しにくいっていうのもデメリットかも。指だと2指を交互に弦に当てるから、スタッカートが入るプレイはやりやすいんじゃないかな。ピックでスタッカートするには、基本的には左手を浮かせるくらいしか方法がないから。開放弦のときなんかはかなり面倒になったりするし。

指に関していえば、ピックのデメリットがそのまま指のメリットになるっていうかんじかな。確かに指のほうがアタック音は小さいけど、そのおかげでどっしりとした、ベースらしいベースになる気がする。ミュートも自然と身につくし、オクターブプレイもランニングベースも慣れればそれほど苦労は感じないと思う。忘れないし、無くさないしね(笑)。

指ならではの苦労ってあるの?

痛くなる(笑)。特に疾走感のあるロックナンバーとかを何曲か続けてプレイすると、指先も指の付け根もけっこう痛いし、疲れる。なのでライブを想定すると、BPM速めの曲はやはりピックで弾くことが多いかなぁ。

ひとつ言い忘れてたけど、指のメリットって、難しそうに見えるってことはデカいと思う。ピックだとギターと変わらないし、一般のリスナーからしたら指のほうがピックより専門的に見えるらしい。だから指のほうがモテるんじゃない?(笑)

確かに、ピックのときは、ギターソロに入ったとたんにオーディエンスの眼が自分に向くことがある。いやいや、いまソロしてんの俺じゃないから、って思ったり(笑)。やっぱりピックだと、ギターとあんまり見分けがつかないんじゃないかな。

それ、指のメリットですか?モテるかどうかは個人的な資質の問題でしょ(笑)。

バンド編成の各パートで、楽器を直接的に手でプレイするのって、ベースとピアノだけなんだよね。しかもピアノは指が鍵盤を打ち込んでるところは客席からは見えないから、実際に外から見えるのはベースだけ。そういう特別感みたいなのが、指弾きにあるかもね。だからモテるんだよきっと。

だから、それは関係ないってば(笑)。