第2回 指とピックのアレコレ 前編

さてさて、第2回は、ベーシストにとって最初の大きなチョイスについて。すなわち、指弾きか、ピック弾きかについて語ります。

ぼくは100%指です。

ぼくは7割が指、3割がピックってかんじかな。

ワタクシ100%ピックです。そもそもいちばん最初はギターをやってて、ヤマハのアコースティックギターのスクールに通ってた。そこに半年くらいいた頃、バンドを組むことになって、フィンガーピッキングを習う前にベースに転向したので(笑)。

ギターからベースに入る人は、ピックの人が多い気がするよね。

うん、確かに。指も練習したことはあるんだけど、なかなか習得するのは難しかった。ピックである程度は弾けたから、わざわざできるようになる必要もないかな、と思ったり。あとは、自分の曲に対するフィット感というか。

自分のつくる曲はピック弾きのほうがフィットする、ってこと?

そうだね。BOOWYみたいなバンドをやってたんで、8ビートでコードルートをひたすら鳴らす、っていうプレイスタイルが主だった。そういうのは、やっぱりピックのアタック音ってけっこう大切な気がしていて。

疾走感のあるような曲だと、ピック弾きのアタックの強い音がよく似合うよね。

そうそう。BOOWYの松井常松さんもピックだし、LUNA SEAのJさんもピック。ああいうベーシストになればいいんだ、って思ってたから。

指だとそのへんちょっと難しいんだよね。BPMが180を超えるような8ビートの曲だと、指でも追いつかなくなってきたりする。ピックのほうがスピードのある曲はやりやすいと思う。スリーフィンガーを覚えて対応できるようにはなったけど(笑)。

でも、たつさんも指でやろうと思ったことはあったんでしょ?

一応、あることはある。バラードとか16ビートになると、今度は逆にアタック音が邪魔に感じたりしたんで。敬愛するTHE YELLOW MONKEYの廣瀬洋一さんが、ずっとピックだけの人だと思ってたけど、あの名曲『JAM』で指だったんだよね。それで、やっぱりバラードは指なのかな、って思ったり(笑)。

確かにバラードだと、アタックの小さい、内に籠るような音色のほうが向いてることも多いかもね。

あとは構えの問題だよね。俺らより少し上の世代、80年代のバンドブームの真っただ中の人たちは、ギターとかベースを低く構えるのがカッコいいっていう共通認識があった。たぶんHR/HMの流れだと思うけど、スラッシュ(ガンズ・アンド・ローゼス)とかジミー・ペイジ(レッド・ツェッペリン)とかポール・スタンレー(キッス)とか。みんな構えが低くて、そういうもんだと思ってた。けど、指だとベースを高く構えないといけなくて、それに馴染めなかったんだよね。

それは確かに。スラップとかする人だと、鎖骨のあたりでベースを構えることもあるもん。手首を弦よりも下に置かないといけないから、仕方ないんだけど。でもそれはそれでカッコいいけどね。

まあ、あとは強いていうなら、ピックのほうが音の粒を揃えやすいのかな、って思う。指だと、慣れるまでは、弦への指のかかり具合によって、一音一音の音圧だったり、音量がバラバラになっちゃうことが多い気がする。上達すれば解消していくんだろうけど。その点、ピックは最初からけっこう音の粒立ちが揃うので、ハードルは低いと思う。

音量や音圧を揃えるのは、指ベーシストにとって最大の課題のひとつだからね。