008 Bメロでつまづくな!

Bメロは、Aメロの内容を受けて主題へと導くためのパートですが、コレがなかなかの曲者です。

筆者は元高校球児ですが、野球では、1ボール1ストライクのカウントがピッチャーにとっていちばん難しい、といいます。ストライクが取れて1ボール2ストライクになったら、いちばん自信のあるタマで勝負できます。けれど、ボールになって2ボール1ストライクになったら、次は絶対にストライクを取らないといけません。いわゆるバッティングカウントというやつで、バッターにとっては狙いどころです。ピッチャーは、2ストライク目を取るタマがあるかどうかが、大成するかどうかの境目になるとまでいわれています。

Bメロもそれに近いモノがあるような気がします。ぜひとも、決め球であるCメロでおもいっきり勝負できるよう、準備しておきたいパートですね。

作詞の順番は大きく2通りに分かれます。Aメロから書くか、それともCメロからか。Aメロから書くパターンは、作品の構成に合わせているので、メッセージの展開がしやすいというメリットがあります。一方で、Cメロから書くパターンは、どうしてもコレを伝えたい、という強いモチベーションを持って書き始めることができます。いちばん最初のパートから書くか、いちばん伝えたいパートから書くか。優劣はありません。プロでも作品によってこの2通りを使い分けている人が多いはず。好きなほうを選べばいいでしょう。

ただ、どちらを選んでも、つまづくのはだいたいBメロのパートなんですよね。作詞にあたって、なんとか書き出してみたはいいけれど、最後まで書ききることができない。そして、その中でも特に難しいのが、Bメロというやつです。楽曲の構成上、BメロはAメロやCメロにくらべてあまり長くないことが多いです。相対的に短いパートの中で、きちんとその役割を果たす必要があります。

課題曲『世界に一つだけの花』では、Bメロは、咲き乱れる花たちから、ひとの生き方、人間社会のありかたに視点を移し、Cメロにつなげています。Aメロでは事実描写に重点が置かれていたのに対し、Bメロになって初めて、疑問の形で、メッセージ、思い、考えが述べられるようになったわけです。

2番でも、Bメロの役割はだいたい同じです。Aメロで事実描写があり、Bメロでそれを受けてまたひとの生き方に思いを投げかける。Cメロは1番と同じなので、メッセージの強さがさらに際立っているといえるでしょう。

ちなみに、冒頭の野球のくだりは、担当編集さんらだいぶ文句を言われました。そんなの経験者やファンじゃないとわかんないだろ、と。そして彼がいうには、柔道で、いきなり内股や払い腰をしかけるのではなく、コツコツ足技で相手の体制を崩して、組手をそろえて、最高のタイミングで大技を決める、ということだそうです。ぼくは柔道は未経験なので、よくわかりませんが。