005 ドラムレコーディングに適した場所

前回、ドラムレコーディングの概要をご紹介しました。基本的に、ドラマーさんには「叩くだけ」という状況でレコーディングをしていただきたいと思っていますが、スムーズに優れた音源を収録するためにも、いくつか注意点があります。

arecsではスタッフが機材を持ち込むため、ドラムセットがあるところならどこでも録れます。とはいえ、レコーディングに向いているところと向いていないところ、というのはないわけではありませんし、事前に注意しておいていただきたいこともいくつかあります。

壁・床・天井

リハーサルスタジオとレコーディングスタジオの大きな違いは、壁・床・天井です。リハスタでは、できるだけ各パートが各メンバーに聴こえるほうがいい、という発想から、壁・床・天井の残響を大きく残すようにしていることがあります。一方でレコスタでは、残響はノイズである、という発想から、壁・床・天井に吸音材を貼るなどして、残響を抑えています。いったん残響を取り込んでしまうと、DTMでのミックスダウンでそれを取り除くことは非常に困難です(逆、つまり残響のない状態から残響のある状態にすることは、リバーブやステレオイメージャーなどで可能です)。ドラムそのものの音をクリアに録りたいなら、残響があまり残らないようにしたいところ。壁や床はフローリングよりカーペットのほうが適しています。

広さ

残響にもうひとつ関わってくるのが、部屋の広さです。あまりに広すぎると、残響が残る時間が長くなって、全体にぼやけた音になりがちです。かといって狭すぎると、残響が多く発生する、すなわち多く拾ってしまうことにつながります。カーペットの部屋なら8畳前後、フローリングの部屋なら10~12畳前後がいいでしょう。

ドラム本体

いうまでもなく、ドラム本体の「鳴り」が最も重要です。ドラムはアコースティック楽器なので、いったん収録した音をミックスで大きく変化させることは困難です。特にバスドラムでは、低音系か高音系かは、録った後ではどうしようもなかったりします。そのため、録りたい音を事前にある程度イメージして、それに見合ったドラムセットのあるスタジオを探しておくといいでしょう。